『療法食』では改善しない
アレルギー・アトピーの本当の原因
オススメの食事に変えたのに、まだカキカキしている。
そう感じている飼い主さんは、決して少なくなりません。
執筆:ごとふ動物病院 獣医師 藤本愛彦
療法食に変えても治らない、その理由。
病院でオススメされた『療法食』に変えたのに
それでも体を掻く、足を舐める、外耳炎が何度も繰り返す。
「これだけ気をつけているのに、なぜ?」
そう感じてしまうのは、当然のことだと思います。
実は、食事アレルギー(牛肉・鶏肉など)だけが原因ではないケースが非常に多くあります。
多くの症例を診てきた中で見落とされがちな原因として注目しているのが、脂肪酸(オメガ3・オメガ6)の働きの乱れです。
脂肪酸の働きの乱れ
脂肪酸でできた薄い膜で形成
脂肪酸とは何か?
肌は、脂肪酸でできた薄い油の膜に覆われています。
この膜が外からの刺激・乾燥・細菌からお肌を守るバリアになっています。
脂肪酸の主な役割は3つです。
- ① 肌に潤いを与える
- ② 皮膚バリアを形成する
- ③ 炎症を抑える
脂肪酸の役割
この働きが乱れると、牛・鶏肉といった食材に関係なくアレルギー・アトピーが起こりやすくなります。
脂肪酸の働きが乱れるのか
原因として注目されているのが『糖化タンパク質(AGEs)』です。
一般的なドッグフードは120℃以上の高温で製造されることが多く、その過程で『糖化タンパク質(AGEs)』が大量に発生します。
実際に、麻布大学の調査では、市販ペットフード51種類を分析した結果、糖化タンパク質の一種『アクリルアミド』が平均39.6 µg/kg検出されたと報告されています。農林水産省も「できるだけ摂取量を減らすことが望ましい」と注意喚起しています。
| チェック比較 | 一般フード | ベースフード75 |
|---|---|---|
| 製造方法 | 高温製造(効率重視) | 低温調理(体に配慮) |
| 糖化タンパク質 | 平均39.6μg/kg | 不検出【検査済み】 |
| 有害物質検査 | 検出事例あり | 不検出【検査済み】 |
| 皮膚への負担 | 負担が蓄積 | 負担が少ない |
腸が弱ると、脂肪酸が吸収できなくなる
糖化タンパク質は、その構造から消化できず、腸の粘膜にベッタリと貼り付き、腸の働きを鈍らせます。
腸が弱くなると、食事から摂った脂肪酸(オメガ3・オメガ6)がうまく吸収できなくなります。
結果として体内の脂肪酸が不足し、皮脂バリア崩れ、アレルギーやアトピーが起こりやすくなります。
荒れやすい
整う
吸収しにくい
吸収しやすい
残る
減る
アレルギー・アトピーは皮膚の問題だけに見えますが、実は腸→脂肪酸→皮膚トラブルという流れが関係していることが多いのです。
ただし
脂肪酸の不足によって、皮脂の分泌の乱れ方によって、皮膚に出る症状は2つのタイプ(皮脂の分泌が少ないタイプと皮脂が多く出るタイプ)に分かれます。
『療法食』に変えても改善しない場合は
まずはあなたの愛犬が
どちらのタイプか把握することが
改善の第1歩です。
犬の皮膚トラブルには2種類ある
食事を『療法食』に変えても かゆみ などの症状が改善しない場合は、皮脂の過不足の状態によって2つの肌タイプに分かれます。
それぞれ原因が異なるため、ケアの方法も変わります。
あなたの愛犬はどちらのタイプ?
フケが出る
円形の湿疹が出る
毛がパサついている
冬に症状が悪化する
肌がベタつく
体臭が強い
肌が象のように厚くなる
夏に症状が悪化する
肌タイプでケアは変わります。
院長からのメッセージ
アレルギー・アトピーの診療を20年以上続ける中で、のべ48,000頭を診てきました。
その経験の中でずっと感じてきたことがあります。
療法食を続けても治らない子の多くは、原因が違う。
IgE検査で陽性だから除去食を続ける。
その判断は間違っていません。
でも、それだけでは治らない子がいる。
腸の状態が脂肪酸の吸収に影響し
皮膚バリアが崩れているとしたら。
『療法食』を変えるだけでは、根本的な改善にはならないのです。
カサカサ肌なのかベタベタ肌なのか。
タイプを正しく把握した上で、腸・脂肪酸・スキンケアを組み合わせてケアすることで、お薬に頼らなくても安定する体を目指せることがあります。
まずは、あなたの子のタイプを確認してみてください。


ごとふ動物病院
院長 藤本愛彦
犬のアトピー治療法
日本・米国(国際)特許取得
愛犬のアレルギー・アトピーで
よくあるご質問
- 療法食を与えているのに、かゆみが治らないのはなぜですか?
-
療法食は食材アレルギーへの対処には有効ですが、腸の働きの低下による脂肪酸不足が原因の場合は、食材を変えるだけでは改善しないことがあります。
脂肪酸は皮膚バリアを作る材料のため、腸からうまく吸収されないと、かゆみや湿疹が続くことがあります。
- 糖化タンパク質は、なぜ犬のアレルギーに影響するのですか?
-
糖化タンパク質は腸の働きに悪影響を与えることがあり、その結果オメガ3・オメガ6などの脂肪酸が十分に吸収されなくなります。
脂肪酸が不足すると皮膚バリアが崩れ、アレルギーやアトピーが起こりやすくなると考えられています。
- カサカサ肌とベタベタ肌がありますが、どう見分ければいい?
-
皮膚の状態で見分けられます。かゆみ・赤み・フケが目立つ場合はカサカサ肌、体臭が強い・耳が汚れやすい・皮膚が脂っぽい場合はベタベタ肌の可能性があります。
それぞれ原因が異なるため、ケアの方法も変わります。
- 犬の皮膚バリアが低下する原因は何ですか?
-
皮膚バリアの材料となる脂肪酸が不足することで低下します。高温製造のフードに含まれる糖化タンパク質(アクリルアミド)が腸の働きに影響し、吸収が低下することがあります。
麻布大学の調査では市販ペットフードからアクリルアミドが検出されており、農林水産省も摂取量を減らすよう注意喚起しています。
- アポキル・ステロイドをやめるとぶり返すのはなぜですか?
-
お薬は症状を抑える働きがありますが、原因を取り除くものではありません。
腸・脂肪酸の乱れという根本原因が改善されない限り、薬をやめると症状がぶり返しやすくなります。
腸ケアと脂肪酸補給を続けることで、徐々にお薬への依存を減らせるケースがあります。
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