保湿
しているのに
なぜまた痒くなるの?
臨床歴26年。犬のアレルギー・アトピーの診療件数は約48,000件。 日々、皮膚トラブルに悩む多くのワンちゃんと飼い主さんのご相談に向き合っています。
愛犬のお肌には、花粉やホコリなどの刺激から体を守る『皮膚バリア』があります。
このバリアが弱くなると刺激を受けやすくなり、かゆみや赤みを繰り返す原因の1つになります。
ポイントは、「かゆみを抑える」だけでなく、
『皮膚のバリア』を守ること。
ここでは、愛犬のお肌を「ブロック塀」に例えて分かりやすく説明しています。
ちゃんとケアしているのに…
愛犬のお肌の表面には、
外からのアレルゲンや雑菌を入れないための
『皮膚バリア』があります。
難しく考えなくて大丈夫。
私はいつも飼い主さんに、
お肌は『ブロック塀』みたいなもの
と説明しています。
丈夫なブロック塀は、ブロックとブロックの間がセメントでしっかり埋まっています。
だから雨や風が吹いても、
簡単には中に入ってきません。
愛犬のお肌も、よく似ています。
お肌の表面の細胞が『ブロック』
隙間を埋めている物質が『セメント』
お肌の『セメント』が減ると どうなるの?
ところが
この『セメント』が足りなくなると、お肌に隙間ができやすくなります。
すると、
花粉やホコリなど、外からの刺激を受けやすくなり、かゆみ・赤みを起こしやすくなります。
そして、
赤くなる。かゆくなる。掻く。
掻けば、お肌はさらに傷つきます。すると「皮膚のバリア」はもっと弱くなり、さらに刺激を受けやすくなります。
つまり、
かゆい→掻く→バリアが壊れる→ もっとかゆい
という悪循環が起こりやすくなるのです。
『かゆみ を止める』だけでなく お肌の状態もみる
ここが第1章でもお話しした大切なポイントです。
お薬で今の「かゆみ」を抑えてあげることは、 とても大切です。
でも、何度も何度も繰り返しているなら、
この子の『皮膚バリア』はどうなっているんだろう?という視点も必要です。
私は、
今出ているかゆみと、
再発させている『本当の原因』
を分けて考えています。
では、なぜ『セメント』が 足りなくなるのか?
よくある原因は、この4つです。
- 掻き壊し:掻くたびに、セメントが破棄されていく
- 洗いすぎ:シャンプーのしすぎで、必要な皮脂まで落ちてしまう
- 年齢:シニアになると、お肌をつくる力が落ちてくる
- 食事:セメントの材料になる『脂質』が足りていない
「うちの子、どれか当てはまるかも」と思った方も多いのではないでしょうか。
保湿だけでは、なぜ足りないの
乾燥しているなら、
いっぱい保湿すれば良いのでは?
そう思いますよね。
もちろん、外からの保湿も大切です。
でも、
皮膚のバリアは、外から保湿するだけで 作られるものではありません。
愛犬のお肌も、体の一部。
そのお肌をつくる材料は、
毎日の食事から、体の中に取り込まれています。
中でも大切なのが、
『脂肪酸』などの脂質の栄養です。
ブロック塀でいえば、
保湿は「塀の外から塗るペンキ」。
食事は「セメントそのものの材料」です。
ペンキをいくら塗り直しても、セメントが足りなければ、塀はもろいままです。
では、食べたものが、
どうやって『セメント』になるのでしょうか?
第3章では、
食事と皮膚の関係をお話しします。
よくある質問
Q.犬の「皮膚バリア」とは何ですか?
A.外からの刺激から体を守り、皮膚の水分が逃げすぎないようにする仕組みです。
皮膚の細胞や、その間を満たす脂質などがバリアとして働いています。
Q. 皮膚バリアが弱くなると、なぜ愛犬は痒くなるのですか?
A.花粉やホコリなど、外からの刺激を受けやすくなるためです。
さらに、犬が掻くことで皮膚が傷つき、バリアがもっと弱くなるという悪循環が起こることがあります。
Q. 犬の皮膚バリアが弱いと、保湿だけで改善しますか?
A. 保湿は皮膚バリアを支える方法の一つですが、それだけとは限りません。
た皮膚の状態、シャンプー、感染の有無、食事なども含めて確認することが大切です。
Q.食事は愛犬の皮膚バリアと関係しますか?
A. 皮膚を健康に保つためには、タンパク質や必須脂肪酸などの栄養素が必要です。
ただし、かゆみの原因は食事だけではないため、皮膚の状態や治療歴と合わせて考える必要があります。
