【獣医師解説】アレルギー・アトピーの子に手作りごはんが本当にいい理由

なぜかゆみがつづくの
第3章
お肌の『セメント』は何から作られる?
【獣医師解説】
アレルギー・アトピーの子のお肌にとって

手作りごはんが本当に良い理由

ー お肌の乾燥と脂肪酸の関係 ー
投稿日:2026年10月10日
執筆:ごとふ動物病院 院長 藤本愛彦
ごとふ動物病院 院長 藤本愛彦
獣医師
藤本 ふじもと 愛彦 よしひこ
ごとふ動物病院 院長/福岡市

臨床歴26年。犬のアレルギー・アトピーの診療件数は約48,000件。 日々、皮膚トラブルに悩む多くのワンちゃんと飼い主さんのご相談に向き合っています。

この記事の内容 (30秒でわかる要約)

お肌のセメントの材料は、食事の中の油(脂肪酸)。

でも、高い温度で作るドッグフードには「焦げ(糖化タンパク質)」ができていて、この焦げが腸に残って、脂肪酸の吸収を邪魔します。

材料が届かないから、すき間が埋まらない。
それが、アレルギー・アトピーが治りにくい大きな原因です。

だから、コゲの少ない手作りごはんが良い。
そして、毎日作るのが難しい方には、手作りの良さを作らずに手に入れて、吸収する力まで整える食事があります。

先生、できることは 全部やってきました…。けど、

診察室で、何度この言葉を聞いてきたでしょう。

アレルギー用の療法食を、何種類も試した。
高いオイルも、サプリも足した。
お薬も、毎日欠かさず飲ませた。

それなのに、
夜中に聞こえる、カシカシという音。

赤くなった肌を見るたびに、「私の何がいけないんだろう」と、自分を責めてしまう。

先日も、5歳のフレンチブルドッグの飼い主さんが、そう話してくれました。

お魚のフードに変えて、オメガ3のオイルも足して。でも、かゆみは変わらず、口の周りまで赤くなってきたんです。

口周りの症状

セメントの材料(脂肪酸)が減ると
なぜ悪化するの?

愛犬のお肌は、ブロック塀のようなもの。

細胞が「ブロック」。
そのすき間を埋めているのが「セメント」です。

ブロック塀

このセメントを作る材料が、食事に含まれる油(脂肪酸)です。

もしセメントの材料が足りなくなると、お肌はすき間だらけのブロック塀になってしまいます。

すき間から、花粉やハウスダストが入り込み、体が「敵が来た!」と反応して、かゆみや赤みが発生します。

同時に、お肌の表面からはうるおいも逃げて、乾燥してさらに「かゆく」なる…。

  • かゆいから、掻く。
  • 掻くと、ブロック塀はもっと壊れる。

この悪循環が起きてしまうのです。

バリアが弱った皮膚

アポキルやステロイド、ゼンレリアなどの「かゆみ止め」は、今燃えている火を消してくれる、とても頼もしいお薬です。

でも、
お薬は「塀のすき間」まで埋めてくれるわけではありません。

すき間が残ったままお薬をやめると、また外からアレルギーの元が入り込んで、火が燃え上がってしまいます。

お薬をやめると「またかゆくなる」のは、このためです。

お薬による治療

ドッグフードの焦げが
脂肪酸の吸収を邪魔する

高い温度で大量生産するドライフードには、「焦げ(糖化タンパク質)」が大量できます。

この焦げは、犬の腸ではうまく消化されず、腸の粘膜に残ります。

腸は、脂肪酸などの栄養を体に取り込む入口。

そこに焦げがたまると、入口がふさがれて、脂肪酸を吸収できなくなるのです

\ 焦げが脂肪酸の吸収する入口をふさぐ /

入口をふさいでしまう

つまり
どんなに良い油(オイル)を足しても、入口がふさがっていたら、お肌まで届きません。

冒頭の子が良くならなかったのは、このためです。

しかも焦げは、油そのものを焦げに変えてセメントの材料を減らし、体の中で「かゆみ」や「赤み」のもとにもなります。

\ アレルギー・アトピーが治らない原因 /

原因 ① セメントが足りないと

お肌はすき間だらけになり、アレルギーを
起こす原因物質が入ってくる

原因 ② ドライフードの焦げが

ブロック塀のすき間を埋める「脂肪酸」の
吸収をさまたげるので、お肌に「脂肪酸」
が届かない。

「手作りごはん」なら
焦げが驚くほど少ない!

ドッグフードの中の焦げ(糖化タンパク質)の量を決めるのは、加熱する時の温度です。

同じ鶏肉でも、直火で焼いた「焼き鳥」には、お鍋で煮る水炊きの5〜10倍もの焦げが含まれるという報告があります。

焦げの量

ゆでる・煮るスタイルの手作りごはんは、
100℃くらいまでしか上がりません。

だから、「焦げ」が驚くほどが少ない。

腸の入口がふさがれないから、セメントの材料(脂肪酸)がしっかり吸収される。

吸収された材料がお肌に届いて、すき間がキレイに埋まっていく。

これこそが、
『手作りごはん』の1番のメリット。

色々なフードを試してもで良くならなかった子や、オメガ3のオイルを足しても変わらなかった子が、 「手作りごはん」に変えて、少しずつ治っていく。

診察室で、そんな姿を何度も見てきました。

\ 「手作りごはん」が1番良い理由 /

理由 ① 焦げを作らない

ゆでる・煮るのは100℃まで。腸の入口をふさがないから、栄養をしっかり吸収できる。

理由 ② 油が痛まない

熱で劣化していないフレッシュな「脂肪酸」がお肌に届いて、セメントの材料となる。

理由 ③ 水分たっぷりで潤う

ドライフードの水分(約1割)に比べて、手作りごはんでは約8割が水分。

だから

アレルギー・アトピーの肌には
「手作りごはん」が最適!

でも、「手作りごはん」にも
大きな『2つの問題点』がある

「手作りごはん」が良いのは、わかる。

でも、いざ作ろうとすると…

心配事
問題点① 栄養が足りなくなる

感覚で作った手作りごはんは、ミネラルやビタミンが不足しがち。すると体は、命に関わる「心臓や脳」を優先し、お肌や毛の栄養を後回しにしてしまいます。

不足の心配
問題点② 毎食続けるのは、ムリ

家族の食事だけでも手一杯なのに、愛犬専用の食事を別で作るなんて、二度手間すぎてヘトヘト。
それを毎日・毎食なんて、結局心が折れて、またドライフードに戻ってしまう…。

不足の心配
正しい手作りごはんに変える方法があります。

アトピー・アレルギー体質に打ち勝つ ①
手作りに『トッピング』する方法

手作りごはんで足りなくなりがちな栄養を、これひとつで「まるごとカバー」。

いつものごはんにサッとトッピングするだけで、必要な栄養がバランスよく整います。

忙しくて作れない日は、これだけでもOK。

75℃の低温でじっくり作っているから、お肌に悪い「焦げ」がほとんどできません。

ベースフード

アトピー・アレルギー体質に打ち勝つ ②
今のフードを変えたくない方には

アレルギー療法食を食べている
お気に入りだからフード自体は変えたくない

そんな方にピッタリの『ふりかけタイプ』です。

いつものごはんにパッとかけるだけで、体の中で「焦げ」を減らす成分(カルノシンやビタミン類)をしっかりプラス。

手作りごはんに変えるのが一番ですが、「今のフードのまま、少しでもお肌をラクにしてあげたい」という飼い主さんの強い味方です。

腸活ふりかけ

最初に変わったのは?
お肌ではありませんでした。

冒頭のフレンチブルドッグの4ヶ月後。

最初に変わったのは、お肌ではなく
ウンチの臭いでした!

beforeafter

変えたのは
今まで食べていたドッグフードを

「手作りごはん」にして
ベースフード75<鹿・豚>

をトッピングしただけです。

藤本 獣医師から
26年間、
かゆみに悩む子と飼い主さんに
向き合ってきました。
診察室で、
何度も聞いてきた言葉があります。
先生、できることは全部やりました。
でも、そう言う飼い主さんの
ほとんどが
まだ「ドッグフードの中」
だけに答えを探しています。
本当は、手作りごはんが
お肌に一番やさしい。
でも、
毎日完璧に作るのは無理。
だから、
手作りごはんで足りない栄養(ビタミン・ミネラル)を補うフードをつくりました。
完璧じゃなくていい。
いつものごはんに、ベースフード75や腸活ふりかけをサッと足すだけ。
その「ほんのひと手間」が、
愛犬のかゆみ・赤みを減らす確かな一歩になります。
ごとふ動物病院 院長/獣医師
藤本愛彦

次の第4章の内容は
残ったところは『ポイント肌ケア』

「手作りごはん」に変えていくと、
お肌はだんだん良くなっていきます。

でも、
すぐに全部がキレイになるわけではありません。

  • 赤いところ
  • かゆみ
  • 湿疹

などが、
どうしても一部残ってしまうことがあります。

そんな部分には

外からのシャンプーケアが必要
になります。

第4章では、
赤み・かゆみ・湿疹など残った病変だけ、ピンポイントで行う「シャンプーケア」についてお話しします。