お肌の『セメント』は何から作られる?
手作りごはんが本当に良い理由
臨床歴26年。犬のアレルギー・アトピーの診療件数は約48,000件。 日々、皮膚トラブルに悩む多くのワンちゃんと飼い主さんのご相談に向き合っています。
お肌のセメントの材料は、食事の中の油(脂肪酸)。
でも、高い温度で作るドッグフードには「焦げ(糖化タンパク質)」ができていて、この焦げが腸に残って、脂肪酸の吸収を邪魔します。
材料が届かないから、すき間が埋まらない。
それが、アレルギー・アトピーが治りにくい大きな原因です。
だから、コゲの少ない手作りごはんが良い。
そして、毎日作るのが難しい方には、手作りの良さを作らずに手に入れて、吸収する力まで整える食事があります。
先生、できることは 全部やってきました…。けど、
診察室で、何度この言葉を聞いてきたでしょう。
アレルギー用の療法食を、何種類も試した。
高いオイルも、サプリも足した。
お薬も、毎日欠かさず飲ませた。
夜中に聞こえる、カシカシという音。
赤くなった肌を見るたびに、「私の何がいけないんだろう」と、自分を責めてしまう。
先日も、5歳のフレンチブルドッグの飼い主さんが、そう話してくれました。
お魚のフードに変えて、オメガ3のオイルも足して。でも、かゆみは変わらず、口の周りまで赤くなってきたんです。
セメントの材料(脂肪酸)が減ると
なぜ悪化するの?
愛犬のお肌は、ブロック塀のようなもの。
細胞が「ブロック」。
そのすき間を埋めているのが「セメント」です。
このセメントを作る材料が、食事に含まれる油(脂肪酸)です。
もしセメントの材料が足りなくなると、お肌はすき間だらけのブロック塀になってしまいます。
すき間から、花粉やハウスダストが入り込み、体が「敵が来た!」と反応して、かゆみや赤みが発生します。
同時に、お肌の表面からはうるおいも逃げて、乾燥してさらに「かゆく」なる…。
- かゆいから、掻く。
- 掻くと、ブロック塀はもっと壊れる。
この悪循環が起きてしまうのです。
アポキルやステロイド、ゼンレリアなどの「かゆみ止め」は、今燃えている火を消してくれる、とても頼もしいお薬です。
でも、
お薬は「塀のすき間」まで埋めてくれるわけではありません。
すき間が残ったままお薬をやめると、また外からアレルギーの元が入り込んで、火が燃え上がってしまいます。
お薬をやめると「またかゆくなる」のは、このためです。
ドッグフードの焦げが
脂肪酸の吸収を邪魔する
高い温度で大量生産するドライフードには、「焦げ(糖化タンパク質)」が大量できます。
この焦げは、犬の腸ではうまく消化されず、腸の粘膜に残ります。
腸は、脂肪酸などの栄養を体に取り込む入口。
そこに焦げがたまると、入口がふさがれて、脂肪酸を吸収できなくなるのです
\ 焦げが脂肪酸の吸収する入口をふさぐ /
つまり
どんなに良い油(オイル)を足しても、入口がふさがっていたら、お肌まで届きません。
冒頭の子が良くならなかったのは、このためです。
しかも焦げは、油そのものを焦げに変えてセメントの材料を減らし、体の中で「かゆみ」や「赤み」のもとにもなります。
\ アレルギー・アトピーが治らない原因 /
原因 ① セメントが足りないと
お肌はすき間だらけになり、アレルギーを
起こす原因物質が入ってくる
原因 ② ドライフードの焦げが
ブロック塀のすき間を埋める「脂肪酸」の
吸収をさまたげるので、お肌に「脂肪酸」
が届かない。
「手作りごはん」なら
焦げが驚くほど少ない!
ドッグフードの中の焦げ(糖化タンパク質)の量を決めるのは、加熱する時の温度です。
同じ鶏肉でも、直火で焼いた「焼き鳥」には、お鍋で煮る水炊きの5〜10倍もの焦げが含まれるという報告があります。
ゆでる・煮るスタイルの手作りごはんは、
100℃くらいまでしか上がりません。
だから、「焦げ」が驚くほどが少ない。
腸の入口がふさがれないから、セメントの材料(脂肪酸)がしっかり吸収される。
吸収された材料がお肌に届いて、すき間がキレイに埋まっていく。
『手作りごはん』の1番のメリット。
色々なフードを試してもで良くならなかった子や、オメガ3のオイルを足しても変わらなかった子が、 「手作りごはん」に変えて、少しずつ治っていく。
診察室で、そんな姿を何度も見てきました。
\ 「手作りごはん」が1番良い理由 /
理由 ① 焦げを作らない
ゆでる・煮るのは100℃まで。腸の入口をふさがないから、栄養をしっかり吸収できる。
理由 ② 油が痛まない
熱で劣化していないフレッシュな「脂肪酸」がお肌に届いて、セメントの材料となる。
理由 ③ 水分たっぷりで潤う
ドライフードの水分(約1割)に比べて、手作りごはんでは約8割が水分。
だから
アレルギー・アトピーの肌には
「手作りごはん」が最適!
でも、「手作りごはん」にも
大きな『2つの問題点』がある
「手作りごはん」が良いのは、わかる。
でも、いざ作ろうとすると…
感覚で作った手作りごはんは、ミネラルやビタミンが不足しがち。すると体は、命に関わる「心臓や脳」を優先し、お肌や毛の栄養を後回しにしてしまいます。
家族の食事だけでも手一杯なのに、愛犬専用の食事を別で作るなんて、二度手間すぎてヘトヘト。
それを毎日・毎食なんて、結局心が折れて、またドライフードに戻ってしまう…。
アトピー・アレルギー体質に打ち勝つ ①
手作りに『トッピング』する方法
アトピー・アレルギー体質に打ち勝つ ②
今のフードを変えたくない方には
最初に変わったのは?
お肌ではありませんでした。
冒頭のフレンチブルドッグの4ヶ月後。
最初に変わったのは、お肌ではなく
ウンチの臭いでした!
変えたのは
今まで食べていたドッグフードを
「手作りごはん」にして
ベースフード75<鹿・豚>
をトッピングしただけです。
次の第4章の内容は
残ったところは『ポイント肌ケア』
「手作りごはん」に変えていくと、
お肌はだんだん良くなっていきます。
でも、
すぐに全部がキレイになるわけではありません。
- 赤いところ
- かゆみ
- 湿疹
などが、
どうしても一部残ってしまうことがあります。
そんな部分には
外からのシャンプーケアが必要
になります。
第4章では、
赤み・かゆみ・湿疹など残った病変だけ、ピンポイントで行う「シャンプーケア」についてお話しします。
