痒みが残ったところは『外から守る』
そのお手入れ
やりすぎ
かもしれません
臨床歴26年。犬のアレルギー・アトピーの診療件数は約48,000件。日々、皮膚トラブルに悩む多くのワンちゃんと飼い主さんのご相談に向き合っています。
毎日頑張っているシャンプーと保湿が、かえって「かゆみ」や「赤み」を悪化させることがあります。
お手入れは、悪いところだけ、1〜3日に1回で十分。
手間は減って、お肌は落ち着いていく。そのやり方と、病院で使っているケア用品をご紹介します。
夜中に聞こえる、
カキカキ、カキカキ…という音。
シャンプーを変えた。
保湿剤も塗っている。
毎日、キレイにしている。
なのに、また赤くなる。またかゆがる。
私のお手入れが足りないのかな…
もっと良いシャンプーを探さなきゃ…
そう思って、毎日がんばっていませんか?
毎日ケアを頑張っていた 7歳のシーズーちゃんの飼い主さん
この飼い主さんも、そうでした。
汚れたら拭く。
ベタついたら洗う。
乾いていたら保湿する。
毎日、全身を洗って、全身に保湿。
それでも、お腹はどんどん赤くなっていきました。
診察でお話を聞いて、すぐにわかりました。
原因は、お手入れの「しすぎ」でした。
洗えば洗うほどすぎると お肌の「守る力」が弱くなる。
第2章でお話しした「ブロック塀」を思い出してください。
毎日ゴシゴシ洗うのは、
ブロック塀を毎日たわしでこするようなもの。
すき間を埋めていたセメント(皮膚バリア)まで、
はがれてしまいます。
だから、頑張ればがんばるほど、「かゆみ」や「赤み」がドンドンひどくなっていったのです。
今日から「シャンプーケア」は 悪いところだけ、1〜3日に1回
私が飼い主さんにお伝えしているルールは、これだけです。
良いところには、何もしない。
良いところは、今、調子が良いんです。
触ると、かえって悪くなります。
赤いところ。
カサカサしているところ。
ベタつくところ。
悪いところだけを、1〜3日に1回。
毎日の全身シャンプーは、もういりません。
愛犬のお肌にも、飼い主さんにも、
やさしいお手入れです。
ただしお肌のタイプで 使うシャンプーが変わります!
実は、犬の肌トラブルには、
大きく分けて2つのタイプがあります。
こんな症状はありませんか?
- 白いフケが出る
- 円形の湿疹が出る
- 毛がパサパサしている
- 赤みやかゆみがある
カサカサ肌は、
うるおいを補って守るケアが大切。
こんな症状はありませんか?
- 皮脂でベタベタする
- 体臭が気になる
- 肌が厚くなりゾウの皮膚みたいになる
- 首下や脇・内股に症状が集中する
ベタベタ肌は、
余分な皮脂を落として守るケアが大切。
\ 肌タイプ別 お手入れの手順 /
愛犬の肌タイプがわかったら、
あとはこの順番どおりにケアだけ。
病院で、私が飼い主さんにお伝えしているやり方そのままです。
\ どっちかわからない? と迷ったら /
なぜ 4種類のシャンプーを使うのか?
量販店やネットのシャンプーでは、
なぜダメなのか。
病院で、この4つのシャンプーを使っている理由をお話しします。
実際に、
こんな変化がありました。
冒頭にご紹介したシーズーちゃんは、ベースフード75に変えて、毎日の全身シャンプーをやめ、悪いところだけ、1〜3日に1回のケアに変えてから4か月。
症例 | シーズー 7歳
あのカキカキの音を、
最近は聞かなくなりました。
夜のカキカキがひどくて、アポキルを飲ませないと落ち着かない子でした。
でも、食事とシャンプーケアを続けるうちに、夜だけでなく、昼間も静かにスヤスヤ眠れる日が増えてきました。
※食事と肌ケアを組み合わせた症例です。
肌ケア商品のみの効果を示すものではなく、経過には個体差があります。
カサカサ肌を改善する 悪いとこだけ【4ステップ・ケア】
ブロック塀で例えれば、カサカサ肌の子のお肌は
乾いてひび割れている状態です。
やさしく洗って、うるおいを補い、最後に刺激から守ります。
ケアするのは「カサカサしている場所だけ」です。
洗浄シャンプーで泡マッサージ
たっぷりの泡を乗せ、指の腹で撫でるように(ゴシゴシこすらない)。
温タオルで拭く
温かい絞りタオルで、泡をやさしく拭き取る。
保湿スプレーをシュッ
乾いているポイントだけに吹きかける。
肌保護パウダーでポンポン
仕上げにパウダーをのせて、外の刺激からガードする。
ベタベタを改善する 悪いとこだけ【4ステップ・ケア】
ブロック塀でいえば、ベタベタ肌の子は古い脂やコケがこびりついている状態。
皮脂汚れを浮かせ、やさしく落とし、最後に守ります。
ケアするのは「ベタベタしている場所だけ」です。
クレンジングでオイルマッサージ
ベタつく部分にクレンジングを馴染ませる。
洗浄シャンプーで泡マッサージ
浮き上がった脂汚れを、泡で包み込む。
温タオルで拭く
温かい絞りタオルで、汚れと泡をやさしく拭き取る。
肌保護パウダーでポンポン
仕上げにパウダーをのせて、外の刺激からガードする。
よくある質問
Q. 毎日洗わないと、体臭が心配です。
A. 体臭が気になるところは、洗浄シャンプーの泡ケア後、温タオルでさっと拭くだけで十分です。普段のお手入れを「悪いところだけ」にしてください。
Q. 病院でもらった塗り薬と一緒に使えますか?
A. 使えます。温タオルで拭いたあと、かゆいところに塗り薬を塗り、最後に肌保護パウダーをのせてください。
Q. スプレーの音を嫌がります。
A. 手のひらに取って、手でなじませてください。音がしないので、嫌がりにくくなります。
Q. カサカサとベタベタ、両方ある子は?
A. 場所ごとに使い分けてください。迷ったら、LINEで写真を送っていただければお答えします。
最後に 獣医師としてお伝えしたいこと
腸から治して お肌を守る
第3章では、ベースフード75や腸活ふりかけ、バランスオイルを使って『腸から治す』方法についてお話ししました。
この第4章では、クレンジングや洗浄シャンプー、保湿スプレー、肌保護パウダーを使って外から『お肌を守る』のお話をしました。
ですが、
アレルギー・アトピーを根本から治すために
一番大切なのは、
この2つをどの順番で、どう組み合わせるか
です。
続く第5章では、
当院で実際に多くのワンちゃんを改善に導いてきた「藤本式2ステップケア」の全貌をお話しします。
